移住に関する
お問合わせ

第12ふくしま人持続可能な生活を地域の農家とともに

石川町出身の泉浩樹さん。長年、プロのフリーカメラマンとして都内で生活されていました。2014年に地元石川町にUターンし、ソマチット(株)を共同で設立。代表としてカフェを経営する傍ら、首都圏で以前から仕事をしていた撮影業を現在も続けていらっしゃいます。

地域の農家さんを元気にしていきたい

Q.Uターンしたきっかけを教えてください。

震災をきっかけに東京での生活に違和感を感じて、地に足をつけた生活をしなくてはいけないと思いました。自宅に隣接する空き家になっていた祖父母の商店をリノベーションして、2016年9月に農村食堂「里のカフェ」をオープンしました。実家が農家で私が長男だったので、いずれは戻らなくてはいけないと思っていました。

Q.「里のカフェ」とはどんなお店ですか?

継続可能な社会を目指すことを目的に設立した「ソマチット株式会社」の事業で、地元の旬の本来の野菜や果物を使った手作りメニューを提供しています。「山賊カレー」や「里山うどん」、期間限定の季節のパフェは若い世代の方からマダムまで女性を中心に好評頂いております。ランチには、近隣地元農家の協力を得て、野菜を中心とした「おかずBAR」はおもてなしとしてサービスでご用意しています。共同経営するメンバーの共通項に「地域の農家さんを元気にしていきたい」という想いがあります。地域の野菜をつかって、地域内でお金を循環させられればと思っています。

外国人を受け入れられるような体制づくりをしていきたい

Q.以前は東京でカメラマンをされていたとのことですが?

元々、農業系の学校で勉強をしていたのですが、20歳の時にアメリカへ農業と造園業をしながら数年間滞在しました。日本に戻ってきて、飲食業界のアルバイトの傍ら興味のあったカメラマンのアシスタントとして撮影業に飛び込みました。映画、CM、プロモーションビデオ、ドキュメンタリーなどの仕事をさせていただいていました。仕事柄移動が多く、恐らく50カ国以上は回っていたと思います。現在も東京での仕事を頂いています。お店と農業もあるので、タイミングを見ながらですが。自分の今までのスキルが活かせればと思い、地元PRの撮影活動もしています。

Q.共同経営するメンバーは?

Uターン後に知り合った地元農協で働く高原さんと、同じく地元Uターン組の元デザイナーの現在自然農を営む山田さん。偶然出会ったマネジメントも出来る料理人の小野さんと運営しています。小野さんとの出会いは、郡山市の食器屋さんでの立ち話からです。現在は、実質的な経営と料理は小野さんが担ってくれていて、今となっては欠かせないメンバーです。

Q.お店には、どんなお客さんがいらっしゃるのですか?

おかげさまで口コミのみでにぎわっております。最近ですが、遠くは横浜からパフェを食べに3人できたという方もいらっしゃいました。SNSを見てくる人も多くて、広報らしい広報はしていません。ただ、認知度も高まっている分、プレッシャーもあります。喜んでもらえるようにクオリティを維持するための努力をスタッフは欠かせません。

Q.移住先としての地方のよさは?

人間関係が大事だと思います。そしてそれが全てです。地元の農家さんが「これ使って」といって、野菜を持ってきてくれることも多々あります。人と人とのつながりなので、だれでも受け入れられるわけではないと思います。「移住して来る人」の覚悟も必要だと思いますし、もちろん受け入れる側のハードソフト両面の準備も必要です。

今後やっていきたいことは?

海外に行くことが多かったので、一人で旅行にいったときの心細さが分かります。そんなときに、現地の方に温かく迎えられ、伝統料理を頂くと、嬉しくなります。インバウンド(訪日外国人旅行者)への需要が高まっていますので、外国人を受け入れられるような体制づくりをしていきたいです。新しくお店には設置した加工場と梱包場があります。そこで焼いた焼き菓子やパンなどを充実させて行きたいです。また、海外向けに商品開発、販路拡大もしていきたいと思っています。

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