古崎さんは埼玉県出身。小野町の地域おこし協力隊として2014年から3年間活動してきました。任期後は町に定住し、地元の新聞店の事業を引き継ぐ一方、一般社団法人「ウムラウフ」を設立し、次世代の若者の呼び込みなど地域の支援を行っています。
人の温かさが小野町の魅力
Q.移住のきっかけを教えてください
元々はメーカーで営業の仕事をしていたのですが、会社が海外進出を進めている中でちょうど東日本大震災が起きたことが契機でした。
震災の後の日本は、海外と比べて元気がないように感じたんです。そこで、人生で長い時間をかけて携わりたいものは何かを考えたとき、日本のためになることをやりたいと考え、今の会社では海外向けの仕事しかできないと思ったので、退職を決めて小野町に移住しました。
当時小野町のことは知らなかったのですが、道の駅巡りが好きだった私は小野町に道の駅がないことを知り、その設立に向けた取組に関われないかと考えました。その中で地域おこし協力隊のことを知り、地域おこし協力隊として活動をしようと思ったことが小野町に移住したきっかけです。
Q.小野町に移住する上で不安だったことはありますか?
移住をする上で一番不安だったことは、知り合いがいないことです。人間関係がうまくいくか不安でしたが、小野町の方々が温かく迎え入れてくれたので、徐々に打ち解けることができました。
Q.移住して感じる、小野町の魅力はなんですか?
私が移住した際に感じたことなのですが、小野町は若者に対して歓迎ムードが強いです。移住前から「小野町は人の温かさ、優しさがある」と聞いていましたが、その言葉の通りでした。
移住には、地域の人のバックアップが必要。小野町には、それがある
Q.今後やっていきたいことはありますか?
地域おこし協力隊の任期を終えた後も地域のための活動を継続したいと考えていたため、地域が抱える農林業や畜産業などの後継者不足の課題と、若者の移住を促進する課題の両方を結び付け同時に解消しようと試みることを目的として、『一般社団法人ウムラウフ』を設立しました。
そのために高校生や首都圏で働く若者に対し、町内の産業や仕事を伝え、次世代の人材を呼び込みたいと考えています。今後は、そのように自分が小野町に定着している姿をもっと発信していき、その姿を都会の人が見て、その気になってくれればうれしいです。
また、私が移住する際、小野町で応援してくださる方の存在が大きかったので、私も移住を考えている方のバックアップを続けたいです。
Q.若い世代が移住をする上で必要なことは何だと思いますか?
受入側や地域の方々が親代わりとなって見守ってくれることが必要だと思います。また、同世代とのつながりがあると心強いですね。移住は単なる引っ越しとは違い、生き方・暮らし方ががらっと変わるものです。都会でしかできない仕事よりも地方でしかできない仕事の方が多いと思うので、それを選択できる機会が増えるといいなと思います。