兵庫県出身の浜田さんは、現在の地域おこし協力隊に就任するまで、大手IT企業、ベンチャー企業を経験し、その後、独立し地域活性に関わる事業を展開しながら、多摩大学総合研究所にて創業支援や地域ビジネスでの支援に携わっていました。
2018年春より平田村に移住し、地域に新しい風を吹かせるべく様々な角度から企画・実践に挑戦しています。
道の駅長からの猛烈なアプローチ
Q.地域おこし協力隊のきっかけはなんですか?
平田村との関わりは、東京での私の活動を見た「道の駅ひらた」の高野駅長が、直接連絡をくれたことが始まりです。その連絡がきっかけで、平田村をフィールドに多摩大学の地域創生のプロジェクトが行われました。プロジェクトは無事に終わったのですが、その後、平田村が「医食同源」プロジェクトに取り組むことになり、また高野駅長から連絡がありました。完全な一本釣りです。(笑)
Q.なぜ、移住を決心したのですか?
元々、大学のプロジェクトで関わっていましたが、ある時、平田村で高野駅長がふと放った言葉が印象的でした。「あの田んぼのあぜ道で、白むすびを食べるのが最高なんだ。」これを体験するには、地域に飛び込まないと味わえないと、確信し、平田村へ移住することを決心しました。Tシャツのロゴの「ひらたさん」は、その経験を元にデザインしたんです。
何もないからこそのチャレンジの可能性
Q.移住してみて分かった平田村のいいところはありますか?
たくさんありすぎるのですが、のどか。スローライフなところ。
あとはいい意味で「何も無い」こと。何もないからこそ、チャレンジの可能性があると感じています。
Q.浜田さんがいらっしゃる「ヨロズヤ」とは何ですか?
人と人がつながるコミュニティーシーンって、色々あると思うんです。たとえば、近所の井戸端会議とか。もう一つのたとえとして、西部劇のガンマンが集う酒場とか。酒場には、仕事を求めるガンマン、仕事を頼む依頼人、そして酒場のマスターがいますよね。酒場は、お酒を飲む場所だけじゃなくて、ビジネスマッチングの場でもあり、地域の困りごとを聞く御用聞きの場でもあるんです。「ヨロズヤ」は、何かが生まれる場所、マッチングの場にしたいんです。
地域活性化のヒントはありふれている
Q.平田村のポテンシャルは?
たくさんありすぎるのでひとつひとつ整理しますね。(笑)まずは、移住定住の促進です。そして、地域資源の利活用。平田村には、中学校2校、幼稚園2校が廃校です。そして、事業承継です。5年から10年で近隣の商店は、ほとんど廃業になると思っています。ただ、視点を変えるとそれだけ、ビジネスの場があると思うんです。
あとは、仕事・物件・人のデータベース化です。具体的な事例としては、人口構造の分析から見えてきたのですが、これだけ少子化が進んでいるのに、首都圏と同じように待機児童がいるのです。原因は、「保育士」不足です。働く場所ってたくさんあるんです。
Q.地域の方々のやりたいことと、浜田さんがやりたいこと必ずしも一致しないと想うのですが・・・?
道の駅の6次化プロジェクトとして、村内で採れるたんぽぽを商品化しました。これは生産者の方の思いを形にしたものです。ただ、販路拡大やマーケティングの戦略がなかったのが課題ですね。今後は、プロダクトアウトではなく、マーケットイン、顧客目線の商品開発ができる人材を育成したいです。
Q.これからやりたいことはありますか??
やりたいことたくさんあるんですが、Tシャツを売りたいです。(笑)というのも「地域ファンド」のことなんですが、1枚5千円のTシャツを買って頂きます。そのうち材料費などを抜いた金額を「投資」として、プロジェクト資金とします。そこから何かやりたいときの資金にします。それと、単純にみんなが同じTシャツを着るって面白いですよね(笑)
今後、やりたいことは廃校のリノベーションですね、これは必ずやりたいです。宿泊できる施設に改修してe-スポーツの大会だったり、映画鑑賞会とかのイベントをやりたいです。