新潟県出身の西脇透さんは、2019年の12月に平田村に地域おこし協力隊として移住しました。地域おこし協力隊として、平田村の農業支援に貢献しています。
量より質で勝負
Q.これまでの経歴を教えてください
これまで、農産物に関する民間企業に長年勤めていました。高校卒業後は、地元の農業協同組合に約10年間勤め、その後は、東京都に本社を置く生シイタケ生産販売会社で営業職として13年間勤務しました。その内の3年間は、福島県白河市にある直営工場で勤務しました。この時の経験から、群馬県上野村できのこセンター業務拡張の新規立ち上げにも携わりました。また、生シイタケ生産販売会社の時の御縁により、東京都の市場で仲卸業として約8年間勤めていました。
Q.移住のきっかけを教えてください
私が福島県を離れた翌年、東日本大震災が起きました。福島県にいた頃、現場や営業先で携わった人にやさしくしていただいたのにもかかわらず、東日本大震災直後、福島県白河市の直営工場への支援活動を出来なかった事への罪悪感を覚えており、定年を機に、「福島にかかわりたい」、「自分がこれまで培ってきたスキルや経験を福島に恩返ししたい」という思いで移住を希望しました。
Q.移住する際に不安はありましたか?
不安は全くありませんでした。何かをしたいというよりも、福島に行く事が目的であり、福島県に行けば何か出来る事があるのではないかと思って移住しました。
Q.協力隊ではどのようなミッションに取り組んでいますか?
私のミッションは、平田村の農業支援です。平田村は、山間地という土地柄により、収穫量は稼げないですが、肥沃な土地でおいしい野菜が出来る事が実感できます。この強みを生かして、少量多品目ということで、量より質で勝負しようと決めました。いくつかの生産者を回っていると、次第に興味を持ってくださる方も増えていき、お互いに問題解決のために頑張ろうという関係になっていきました。私自身、平田村で採れた野菜を農家レストラン等に持込み、シェフ等からの“美味しい”を根拠に生産者との取組みに奔走しています。
生産者が輝ける小さなマルシェや収穫祭を定例化したい
Q.今後の目標を教えてください
平田村には、ご高齢にもかかわらず元気に働いている生産者がたくさんいます。そのような方々が輝ける場所として、今後は、小さなマルシェや収穫祭を定例化していきたいと思います。採れたての美味しい野菜をその場で食べて頂けるような環境を、村内に数か所整備して行きたいと考えています。
Q.東京と地方での仕事にどのような違いを感じましたか?
やはり、スピード感が全く違うと思います。東京では、日々情報が錯綜する中で仕事をしなければなりませんでしたが、地方では、東京よりもゆっくりと仕事が出来るので、当初はギャップを感じました。しかし、地方には地方のやり方があるので、地方を東京に合わせようとするのではなく、地方のやり方を大事にしようと思っています。
Q.これから地方で暮らしたい、協力隊になりたい人へのアドバイスは
地方移住するにあたって最も大切なことは、自分の志や信念だと思います。自分がそこで何をしたいのかということは、地方移住に限らず大切なことだと思います。また、地方移住に際しては、私の経験上ではありますが、地元の人と積極的にコミュニケーションをとり、関わりを持つ事もとても大切だと思います。