福島県出身の影山さんご夫婦は、東京都から∪ターンし、現在は郡山市でせっちょっぱら農園を経営しています。せっちょっぱら農園では、稲作のほかに食べられる花「エディブルフラワー」を栽培しています。
エディブルフラワーは新しい可能性を秘めている
Q.これまでの経歴を教えてください
智さん:僕は福島県の農業高校、短大を卒業し、農業高校の実習助手を5年間勤めていました。うちはこれまで米一本の水稲農家でしたが、何か新しいことにも挑戦したいということで、東京都の農業経営を学ぶことができる学校で2年間学び、ノウハウを学んでから就農しました。
美樹さん:私は、福島県に戻る前は東京都で約8年間、町の花屋さんで働いていました。
Q.エディブルフラワーを始めたきっかけを教えてください
智さん:東京の学校に通っているとき、エディブルフラワーの農家さんを視察する機会や、インターンシップでエディブルフラワーの通販をしている企業に行く機会等があり、東京でエディブルフラワーが広まっている現状を見て、実家の経営に取り入れようと思ったことがきっかけです。
また、エディブルフラワーは限られたスペースであっても、そのスペースを最大限に利用できるので、その点も始めるきっかけの一つでした。
Q.エディブルフラワーの魅力を教えてください
智さん:例えば、ケーキだけでもきれいですが、そこに生花を添えることによって、ケーキになかった色合いが生まれ、文字通り華やかになります。生花の香りや味も、新しい食材としての可能性を秘めていると思います。
エディブルフラワーをもっと広めたい
Q.Uターンする際に不安はありましたか?
智さん:正直、不安しかありませんでした。(笑)
当時は、福島県でエディブルフラワーをやっている農家も僕が知っている限りではいなかったので、不安な部分は大きかったです。しかし、東京でエディブルフラワーを福島でやると決めたので、チャレンジしようと思いました。
Q.Uターンしてよかったなと思ったことはありましたか?
智さん:東京では自然の音に飢えていたのですが、戻ってからは、カエルの鳴き声や、川の流れる音等が聞こえるので、癒やされています。
美樹さん:東京に比べて、流れる時間がゆっくりになりました。ゆったりとした地方での暮らしを楽しんでいます。
Q.エディブルフラワーや農業を通して伝えたいことは何ですか?
智さん:僕が農業に興味を持ったきっかけは、小学校等の授業の一環であった食育教育でした。その後の進学も、農業に楽しいイメージがあったので、農業の道に進みました。そのような背景から、僕自身も食育を通じて、作物とのふれあいや自然との対話といったことを伝えたいです。
Q.今後やりたいことはありますか?
智さん:今後は、エディブルフラワーをもっと広めていきたいです。エディブルフラワーは新しい食材ということもあり、今は外食産業がメインですが、一般家庭でも楽しまれる食材になってくれればと思います。
美樹さん:私も同じく、エディブルフラワーがサラダにトマトを飾るように、より一般的な食材になってほしいです。