福島県小野町出身の荒谷さんは、Uターンして2021年に新規就農しました。現在は「おとなのピーマン」をメインに、野菜栽培や稲作を行っています。
こだわりの、苦みがほとんどないピーマン「おとなのピーマン」
Q.小野町に戻ってきたきっかけを教えてください。
大学進学を機に上京してずっと東京に住んでいましたが、夫の転勤で札幌、仙台と移りました。帰省するたびに耕作放棄地が増えているのがすごく気になっていて。子どもが大きくなって手を離れたのをきっかけに、小野町で農業を始めようと思い戻ってきました。
Q.今はどんなものを栽培されていますか?
メインはピーマンで、あとはスナップエンドウや白いトウモロコシ、お米などです。実家の畑の一部や、友人の家で使われなくなった畑や田んぼをお借りして作っているので、当初の目的である耕作放棄地の解消に少しは関われているかなと思います。
ピーマンは特にこだわっていて、畑で取ってかじって味見したりしています。苦味はほとんどないので、ピーマンが苦手なお子さんがうちのピーマンがきっかけで食べられるようになったとお手紙をいただいたこともあります。肥料にこだわったりしているので、それが味に出ているのは嬉しいですね。
Q.「おとなのピーマン」とは?
お子さんが食べられたら「大人だね」ってほめてあげる、そういう意味で「おとなのピーマン」という名前になりました。食卓で親子の会話が生まれるピーマンにしたいと思って。
フィーリングが合うところに住むのがいいのかなと思います。
Q.Uターンして良かったことを教えてください。
地元の方との関係性が希薄になっていましたが、Uターンして同級生とたまに会ったり、近所の方とお話するようになったり。ほかにも近隣の市町村の方や、県内各地の方とご縁が広まっていって、すごく恵まれた人間関係の中で生活できてるなと思います。
Q.小野町の暮らしの良いところや困っていることはありますか?
車のアクセスが良くて、高速のインターがあるので東京もあっという間に行けます。あとは程よい田舎で、買い物とか日常生活には困りません。困っているところは、電車は結構遅くまであるのに、夜に電車で帰ってくると駅前のタクシーの営業が終わってしまっているところです。
Q.今後の目標について教えてください。
第一段階の目標は、農業で経済的に自立することです。そのあとは、次の世代に農業をつないでいくためにも、農業で稼げるスタイルを作っていきたいと思います。
これからピーマンのハウス栽培をしていく予定です。規模を大きくすると人手が必要になるので、雇用をしていくことで少し地域に貢献することができるかなと思います。
Q.これから地方で暮らしたい、移住したいと考えている人にアドバイスをお願いします。
気になる場所があったら足を運んで、その土地やそこに住む人の空気感を確かめて、自分とフィーリングが合うところに住むのがいいのかなと思います。例えばその土地のお店で地元の人と会話してみるとか。この人面白いなとか、この人と関わりたいなとか、そういうのが見つかる場所がいいんじゃないかなと思います。