須賀川市出身の武藤菜美さんは、郡山市にある日本調理技術専門学校でお菓子作りの基礎を学んだ後、東京の洋菓子店に就職。
2011年に帰郷し、アイシングクッキーの魅力に引き込まれ、技術を習得。アイシングクッキー教室の開催やイベントへの出店を経て、現在は郡山市内のベーグル店に勤務、製造・商品開発に携わるなど、日々スキルを磨いている。
生活に必ず必要なモノじゃない。
でも、あると暮らしが豊かになる。
Q.帰郷された理由・きっかけを教えてください。
東日本大震災が起きた時、転職を考えたタイミングでちょうど福島にいました。周りの友達も福島に戻ってくる人がいたので、震災に対するネガティブな感情はそこまで強くありませんでした。東京にいた2年間も、2ヶ月に1回は帰省するくらい地元が好きでした。東京での生活は、時間の流れの早さと、人の多さに疲れてしまいました。一度出たからこそ、地元の良さを痛感しましたね。でも、専門学校を卒業するタイミングでは、絶対地元を出てやるって当時は思っていました。(笑)
Q.アイシングクッキーの魅力を教えてください。
アイシングクッキーは、普通のクッキーより作るのに手間がかかって、値段も高価なものになります。暮らしに絶対に必要なものでもないので、贈り物だったり記念日に購入することが多いんです。でも、アイシングクッキーがあることによって、普段の生活や日常が少しだけ彩り豊かになる。そこが魅力だと思っています。
自分で仕事をしてみて、気づいたこと
Q.アイシングクッキーでどんな活動をされていたのですか?
地元のまちづくり会社さんとのつながりで、レンタルキッチンを利用し活動をスタートしました。当時は、県内でアイシングクッキーをやっている人はほぼいなかったので、テレビにも取り上げて頂きました。ただ、私は、作った商品が皆さんに喜んでもらえるのが好きで、自分自身を売り出すことや製造以外の業務がそこまで得意ではなかったので、一人で起業する大変さを感じました。現在は、アイシングクッキーの活動はお休み中ですが、郡山市の「暮らしづくりビレッジ」でベーグルの製造・商品開発をしています。昔からパン作りもやりたかったので、社会人として現場でもう一度修行中です。地元業者さんとのつながりもできるので、ゆくゆくは自分のお店を持ちたいなとも思いますが、SNSだったり、ハンドメイドマーケットアプリもあったり、流行り廃りも早い状況なので、今後のことはのんびり色々と模索しています。
活動から生まれる“縁”
Q.ところで、こちらの場所は何ですか?
ここは、須賀川の地域情報をメインに発信する今年1月に開局したコミュニティFM「ウルトラFM」の収録スタジオです。現在はここで毎週水曜日のお昼に、パーソナリティをしています。レンタルキッチンでお世話になった「こぷろ須賀川」さんからお声がけ頂きました。東京で働いていた洋菓子店の厨房ではいつもラジオを流していたこともあり、自分でも仕事をしていた時は作業中は必ずラジオを聴いていて、ラジオが大好きだったので、喋る仕事は未経験でしたがやってみよう!という感じです。(笑)
15人いるパーソナリティの中で、私が平成生まれで最年少なので、若い同世代にもラジオに興味を持ってもらいたいなと思っています。ラジオはながら作業でも楽しめる、すごく面白いメディアなので。災害時にも対応できるものですし。
自分自身、大好きなラジオ番組を聴くことが日常の楽しみです。わたしのラジオ番組もそう思ってくれている方が、誰かの日常の小さな楽しみになってくれたらいいなと思っています。
Q.今後の目標を教えてください。
クッキーだけじゃなく、パンやベーグルなど小麦で作った商品を、皆さんにお届けしたいです。根本には、「自分の行動が誰かに届いて、その人のアクションに繋がってほしい」、という想いがあります。私の場合は、ラジオやお菓子作りを通して、皆さんの日常に楽しみや彩りを、ひとつでも増やせたらいいなと思っています。
- 暮らしづくりビレッジ
- HP:http://kurashivillage.jp/
- ウルトラFM
- HP:http://ultrafm868.jp/