岩手県出身の久保さんは、ボランティアを通して福島県を訪れた後、阿武隈山系の素晴らしさに魅せられ、田村市に移住。現在は「ツリークライミングクラブ どんぐりの芽」を立ち上げ、子どもたちに里山の素晴らしさを教えています。
「森林」への興味から福島へ
Q.なぜ、田村市を選んだのですか?
正直に言うと最初から田村市と決めていたわけではないんです(笑)。元々は林業をやりたくて、川内村の林業の会社で仕事をすることになったのですが、インターネットで住むところを探していたら、たまたま田村市都路町に空き家があったので、ここに決めました。
現在は森林組合に勤めているのですが、伐採の仕事だけではなく、森林について広く知りたいと思ったのがきっかけです。
Q.移住に際して不安なことはありましたか?
特になかったです。住むには少し不便かなとは思いますが、そういうことが気になる人はそもそもここに住まないんじゃないかな(笑)あとは、3年前の大雪のときは、道路に出るまで苦労しましたけど、普段は岩手ほど降らないので、気にならないですね。
Q.福島県について、どんなイメージがありましたか?
福島中央競馬場かな(笑)あとは郡山市・いわき市があるので、同じ東北の中でも人口が多い、というイメージでしたね。あとは住んでみて感じたんですが、食べ物が美味しいですね。お米や野菜・・・岩手のお米も美味しかったですが、福島のお米はもっと美味しいです。
山の「中」に住んでいる感覚
Q.他に、移住して思ったことはありますか?
とにかく山の「中」に住んでいるという感覚が強いです。ここの人は炭焼きや原木の伐採などしながら、山とともに生活していた歴史がある。本当の意味で「山に住んでいる」という感覚がありますね。あと、阿武隈山系は広葉樹が多いですよね。広葉樹が多いのは、若くて元気な木が多い証拠なんですよ。
まずは地域の人が気づき、発信していくこと
Q.これからやりたいことはありますか?
この里山の素晴らしさを発信して、次世代に残していきたいですね。ここは本当に、日本の模範となるべき広葉樹林の山だと思いますし、それを福島県民の誇りにすべきだと思っています。こういうインタビューを受けておいてなんですけど、僕は、まずは地域の人たちがその魅力に気付くことが大事だと思うので、そのための活動を今後も続けていけたらと思います。
もちろん、ここが好きになって、来たいと思っている人は、いつでもウェルカムですが(笑)