福島県出身の佐藤さんご夫婦は、東京都からUターンし、現在は須賀川市でguesthouse Nafsha(ゲストハウス ナフシャ)を経営しています。
二人とも場づくりをしたいという思いはあった
Q.移住したきっかけを教えてください
聡さん:もともと、お互い将来的には福島県に戻りたいという気持ちを持っていました。東京で開催されていた震災復興支援のイベントで出会い、結婚をし、その後二人で話合って、いつかUターンしようということは話していました。結婚当初は、Uターンはもう少し後でもいいかなと思っていましたが、たまたま知り合いに郡山周辺の物件を紹介され、それがきっかけでUターンを本格的に考え始めるようになりました。その後、なかなか条件の合う物件に出会えずにいたのですが、須賀川市にある私の父の家がちょうど空き家になるということで、須賀川市への移住を決めました。
Q.ゲストハウスを始めようと思ったきっかけは何ですか?
聡さん:二人とも場づくりをしたいという思いはありました。私自身、過去に復興支援のための場づくりをしていたこともあり、いろんな人に集まってもらって、未来について語り合うという経験をしてきました。人は一人でできることは少なく、多様な人が集まるからこそいろいろなことができると思っています。そのためにリアルな場を作りたいと思ったことが、ゲストハウスを始めたきっかけですね。
また、民泊新法という法律の改正によりゲストハウスが法的に認められたことも、後押しとなりました。
Q.guesthouse Nafshaはどのような場所ですか?
美郷さん:ゲストハウスと聞いて、外国人やバックパッカーが気軽に泊まれる場所を想像する人も多いと思いますが、私たちが作りたい場所は、少し違っています。宿泊する中で実際に私たちの生活を垣間見ていただき、ここでの日常が心地良いものであるということを、少しでもお伝えしたい。そのために様々な部分にこだわって、ゲストハウス運営をしています。
聡さん:ここはアクセスが決して良いとは言えませんが、勇気を出して、この場所でゲストハウスを始めてみようと思いました。ここへは“わざわざ”来ていただかなければなりません。遠方からでも、アクセスが悪くとも「やっぱり行きたい・来てよかった」と思っていただけるよう、これからもこの場を丁寧に育てていきたいと思います。
須賀川市を盛り上げたい
Q.予約方法もこだわっていますね
聡さん:はい。ご予約はお手紙で承っています。時代の流れに逆らっている気もしますが、ご予約していただく方にも「手紙のやり取りする」というプロセスから楽しんでいただけると嬉しいです。
Q.移住する上で不安だったことはありましたか?
聡さん:収入面では、東京にいた頃からするとどうしても下がってしまうので、少し不安でした。その他は、Uターンすることを念頭に福島へはよく帰省したので、そこまで大きな不安はありませんでした。友人や知人と頻繁に連絡を取り合っていたことも、支えになっていたように思います。
Q.ゲストハウスを通して、どのような場をつくっていきたいですか?
聡さん:将来的にはゲストハウス以外にも、地元である須賀川市でいろいろなことをやって盛り上げていきたいです。須賀川市の町中は空き家が目立っているので、それらを活用してもっと面白い場所にしていけたら良いですね。
美郷さん:須賀川市の町中でアトリエを開きたいです。クリエイターが気軽に集える場を町中にもつくることで、須賀川市の魅力や暮らしを発信していきたいと思っています。将来的にはゲストハウスの2店舗目やカフェなどもオープンできたら良いですね。guesthouse Nafhsaを旗艦店として、須賀川を盛り上げる活動を今後も展開していきたいです。